kanjuseitosyakaitojounetsu’s diary

コミュニケーション(意思疎通)、マーケティング、広告、メディアのブログです。経営分析、投資分析、ビジネススキルの目線もあります。これらの観点から様々な事柄を分析します。

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その1。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

この記事は前回の記事の続きです。

前回の記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

記事の内容を要約すると、以下のようになる。

業界人間ベムというADK出身の人が様々な宿題を出している。その宿題に応えてみようということである。

宿題の確認

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

②公のリリースを読むこと

③自分の仮説を検証してもらうこと

④負債額がどれほどか検証する必要がある

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。

今回は、まず、①から取り組もう。②の公のリリースの中に、ベイン社のスキームが書いてあった。 ①のリリースとは、以下のものである。(詳細のpdfは、本記事の最後にのせる)

 

www.adk.jp

 

結論 ベインキャピタルのスキームは今回は、片手までできる程度のこと

 
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

①のリリースを丁寧に読んでいこう。

①のリリース、1ページにはまずベインキャピタルペーパーカンパニー設立が書いてある。図解するとこうだ。

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2ページ目にはなにが書いてあるだろうか。買い付け価格として一株につき3,660円と書いてある。また、公開買い付けは推奨している、そして、公開買い付け者に関する情報は、公開買付者から受けた説明にもとづいている、と回答している。

2ページ目最後や3ページからは、何も調べていないベインキャピタルからの説明が書いてある。3ページ目4行目、「~、本公開買付けを実施するとのことです。」

3ページ8行目、「ベインキャピタルは、~、そしてグローバルでは、昭和59年の設立以来450社超に対しての投資実績を有しているとのことです。

3ページ17行目「本公開買付けにおいて、~、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。」

ことです、だらけですね。

詳しく読み解くと、3ページ3行目の段落では、ベインキャピタルの目的が非公開化にあるとかいてある。

3ページ8行目の段落では、ベインキャピタルは30人です。と書いてある。そして、現場レベルで支援していると書いてある。

 2017年10月現在いえること

ベインキャピタルは、ADKの買収と同時に、東芝メモリという東芝の会社も買収する。

ベインの社員数はたったの30人だ。そのメンバーが同時に巨大案件を行えるのだろうか。もっとも、東芝メモリは、ADKの20倍の大きさだ。(利益比較)つまり、20倍も大切な案件を抱えながら、ADKの経営改善に取り組む人員が存在しているのだろうか。(東芝メモリも2020年の上場を目指しているとのこと)

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東芝メモリは2020年にもIPO、ベインキャピタルが計画-関係者 - Bloomberg

米投資会社ベインキャピタル東芝メモリについて、買収完了後2-3年で新規株式公開(IPO)させる計画だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした

東芝、半導体メモリー分社「東芝メモリ」に 4月1日発足 :日本経済新聞

分社で発足する会社の名称は「東芝メモリ」。代表取締役には、東芝半導体事業を担当する副社長の成毛康雄氏が就任する。資本金は100億円。 分社する半導体モリー部門の売上高(連結ベース)は2016年3月期で8456億円、営業利益は1100億円だった。

 

 

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 この3ページ目まで読んだ状態で今回の投資案件が同時並行できるのかどうか、要検討という気がしてきた。

続いて、3ページには、20年前に結んだWPPとの提携契約の内容が書いてある。

CAA=提携協力契約、SPA=株式売買契約だ。

SPAには、以下のことが書いてあるとのことだ。ADKは、WPP側に、ADK株の売却を求めることができる。通知してから180日後にADKか、第3者が買い取るということだ。価格は応相談。wpp側が断った場合、さらに約185日後に東京証券取引所の平均価格で、ADKに強制的に売らないといけないという契約だ。

これが、ADKWPPとの間で交わした契約の内容だ。

一年後にはTOB成立するかに関係なく、ADKは、WPPグループとの株式持合いによる提携は解消されるということだ。

4ページには、ベインキャピタルがつくったペーパーカンパニーADK株式を90%以上握った場合、即非上場化すると書いてある。

5ページには、今回のTOBで50%いかない場合とかは、ベインキャピタルは責任をもたないで、他に転売します、その価格は決まってませんと書いてある。つまり、ベインは一切責任を持たないことが公のリリースでADK側から示されているのである。

6ページには、LBOの手法が書いてある。ベインキャピタルは今回の買収に1500億円とか、1600億円とか金がかかるが、そのような金は手元にはない。そのため、300億円は自腹で準備して、のこりは、三菱東京UFJ銀行みずほ銀行から借りるということだ。

長くなったし、次はLBOという専門的な話が出てきたので、別の記事に書こう。

 

 

 ADKのリリースのpdf

https://www.adk.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/431288c69c7ab0ef4535c81bb3ee3a6c.pdf