kanjuseitosyakaitojounetsu’s diary

コミュニケーション(意思疎通)、マーケティング、広告、メディアのブログです。経営分析、投資分析、ビジネススキルの目線もあります。これらの観点から様々な事柄を分析します。

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その3。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

前回の記事では、公式リリースを読み続けていて、8ページまでいったところだ。全体では、26ページだからもう少しありそうだ。

前回の記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

公式リリースを読みながら、課題7個に答えようということがこの記事の主旨だ。

課題を確認しよう。

 

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。→LBO、O.I(オープンイノベーションによるデータマーケティング

②公のリリースを読むこと→途中

③自分の仮説を検証してもらうこと→仮説構築はまだ。ベインキャピタルADKの将来をいかようにも転がせる立場であることを確認した。

④負債額がどれほどか検証する必要がある→1200億円

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。→シナリオしだい、要確認。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。→ない、O.Iで解決できそうと考えているのではないか。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。→未

公式リリース8ページ目から

黒字は、リリース内容、赤字は、解釈を書こう。

 

8ページ後半には、wppとの提携がうまくいかなかったことが書いてある。

今までのadkは、安定的な利益を求める株主にたいして、安定的な利益を出すため投資しなかったと書いてある。投資すればいいだろ。投資したときに、株主から批判を受け、経営陣がくびになることを恐れていただけだろうともいえる。

株価が下がろうが、adkはつぶれないので、既存株主に遠慮する理由はない。株主は、株を放出することができるので、何の問題もない。経営陣の保身を第一に考えて、策を練ってきたので今回のLBOベインキャピタルによる買収につながったともいえるだろう。

9ページ目には、ベインキャピタルを選んだ理由が書いてある。ベインキャピタルが450社の投資実績があること、投資先企業の事業改善に強みあること、グローバルのリレーションをもっていること、国内でも投資していること、だそうだ。

ベインキャピタル東芝案件という超巨大案件を同時に行っていることが書いていない。

9ページ目の後半には、構造改革を急いで行わなければならない、と書いてある。そして、そのためには、株価が一時的に落ちることが書いてある。そのため、非公開化が必要と述べている。

構造改革を急ぐ必要があるなら、2年もwppと交渉していたのが、時間の無駄といえる。その時点で、取締役は会社を去ればよいとも言える。すばやい対応が必要という課題認識なら、その課題に向き合うことができなかったのだからだ。さらに、株価が一時的に落ちても、長期的に保持したい株主なら、何の問題もなく、株を持ち続けるだろう。3年で構造改革が終わるなら、何の問題もない。株価は、将来もたらされるキャッシュによって決まる。3年なら、余裕で安定株主は待つ。株主のせいにしないで、経営陣が、課題に取り組むだけでいいのである。その覚悟がないなら、経営陣や役員は辞退する、これが資本主義である。

 9ページから10ページにかけて、ベインキャピタルadkwppとの間で2016年2月から交渉をしたことが書いてある。経営陣はもたもたしすぎだ。彼らは、迅速な対応とアピールしながら、実際の行動は遅い、なぜ遅いか、それは自分たちの保身を第一に考えながら行動しているからである。保身を悪いこととはいっていない、ただ、保身がしたいなら、経営陣にはなってはいけない。ただそれだけだ。そして、保身が大切なら、スピードが大切とはいってはいけない。自分たちができないことを人にいってはならない。

日本人にありがちなことだが、経営陣(資本家)と労働者の認識を間違っていることがある。労働者の役職の先に、経営者は存在しない。まったく別物である。日本社会は、ムラであり、誤解してしまう。

10ページには、ベインキャピタルと合意した経営改革の内容が書いてある。

1、統合的マーケティングサービスを実現し、既存事業の付加価値を向上すること。テクノロジーに強みのある企業との連携をします。その他の、広告業務は今までどおりです。

2、デジタル&データ領域や中国、タイ、インドネシア地域で事業するよ、コンテンツ投資をするよ。

3、1と2を早期にするために、ベインキャピタルの事業改善ノウハウを最大限活用、そのネットワークも使うよ。

1、2、3で収益は一時的に悪化するよ。

この内容にベインキャピタルが賛成したからベインとやるよ。

ベインキャピタルはリスクゼロだから、賛成するだろ。失敗したら、adkの資産を売るだけでいいのだから。買収費用の1200億円の借金はadkが背負うことが決まっているから、ベインキャピタルは何もしなくていい。それなら、いくらでも方向性に賛成するだろ。ベインキャピタルの変わりにだれだってできるよ。むしろ、ベインキャピタルのように、400億円とか、金を持っていかないだけ、ベインキャピタルより最適ですよ、大切なのはwppと分かれるだけ。なぜ、このことを行わないのか、それは経営陣の身分を第一に考えたからと考えられる。

 

 

ADK役員はベインキャピタル身分保障されているか。

 当然上記の疑問が、WPP側からあがる。当然だ。WPPは、買収と経営のプロだ。ベインキャピタルよりもスキルがあるのだ。

アサツーディ・ケイ、筆頭株主に反論 :日本経済新聞

 

また、WPPが指摘していたADKの経営陣がベインから身分が保障されているかどうかについては、「(処遇や報酬などについてベインと)なんら合意をしていない」と強調した。

という風にwppは、疑問を呈している。

 

11ページからは、公開買付けでの株価の決定について詳細を述べている。

株式価格についてなので、次の記事に書くことにする。