kanjuseitosyakaitojounetsu’s diary

コミュニケーション(意思疎通)、マーケティング、広告、メディアのブログです。経営分析、投資分析、ビジネススキルの目線もあります。これらの観点から様々な事柄を分析します。

【書籍紹介】武井涼子・ここからはじめる実践マーケティング入門

書籍タイトル

ここからはじめる実践マーケティング入門

 

書籍分類

マーケティング全般マーケティングリサーチ、ブランド戦略に関する書籍。

 

書籍テーマ

実践マーケティング入門というタイトルがしめすように、

マーケティングの現場で行うべきマーケティングの内容が書いてある。

定石のフレームワークが書いてあるだけでなく、内容を絞り、

現場で役にたつ内容が書いてある、実践本である。

本書のポジショニングマップは以下である。

 

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著者

武井涼子 グロービス経営大学院準教授

電通オグルヴィー出身

東京大学文学部社会学科卒業

コロンビア大学MBA

 

目次

 

一時間目

マーケティング・プランをたてる

 

マーケティングって、一体何?

マーケティングとは、売れる仕組みをつくること

マーケティング戦略の立案と実行プロセス

 

二時間目

マーケティング・リサーチの基本と実務

 

マーケティング・リサーチはなぜ必要?

 

三時間目

ブランド・マネジメントの基本と実務

 

・ブランドって何?

・ブランドはなぜ重要なの?

ブランディングブランド・エクイティ

ブランド・エクイティを育て、企業価値につなげる

・ブランドとは漢方薬のようなもの

三時間目

新しい時代のCRMとデジタル・マーケティング

 

・ブランドの持つ意味をコントロールする

CRMって何?

・顧客経験価値って何?

・デジタル・マーケティングで何が変わった?

・デジタル・マーケティングと顧客情報獲得

・インターネット広告の現在

ソーシャルメディア隆盛とデジタル・マーケティングの最新事情

おわりに

「ここからはじめる実践マーケティング入門」修了証書授与」

 

マーケティング・プランを成功させる4つのコツ

 

すばらしい点(概要)

 

この本は、全4回の授業を元に書かれた本だ。著者の初の著作ということだ。

実は、読んでいてわかることだが、マーケティング全般を述べているが、

4P(プロダクト、プレース、プライス、プロモーション)はさらっとしか

触れていない。つまり、フレームワークで考えると、経営戦略、事業戦略、

マーケティング戦略となり。マーケティング戦略は、swot分析、stp分析となり、

その後4Pとなることが定石である。しかし、著者はそのフレームワークにのらず、

マーケティングリサーチ、ブランド、

CRMとデジタル広告と述べている。マーケティング全般が1時間目、

マーケティングリサーチ2時間目、ブランドが3時間目、

4時間目はCRMとデジタル広告である。

著者は、マーケティングの実践の現場では、

フレームワーク化されている4Pやマス広告よりも、

もっと大切なことがあるという理由で、このような構成になっているのだろう。

現場で困っている課題というのは、調査の方法である。そして、

長期的にマーケティングにとって大切なのはブランドである。

現場の担当者が費用対効果の高い施策として、CRMとデジタル広告となる。

少しもの足りないところ

三時間目で語られる、ブランドマネジメントのところは物足りない。

端的にいうと、読んでいて頭にはいってこない。一つの軸が感じられない。

筆者の経験は、外資FMCGコカ・コーラZARAとか。)消費財メーカー

に対する広告代理店のマーケターの経験が主なため、ブランドのゴールを

決める業務に携わっていないからだと推測される。

 

広告会社のマーケターは、一つのキャンペーンや、ブランドを伝えていくことは

業務として行うのだが、そもそもどんなブランドを作るべきか、また、

論理で説明できない起業による情熱的なブランドつくりは、やった経験がない。

たとえば、コカ・コーラのブランドの狙うところをつくるのは、

コカ・コーラ社のアメリカ本社で働く人で、日本の外資系広告会社は、

それらを日本の市場で伝えていく末端の業務を行っているに過ぎない。

このような背景があり、この章はインパクトがない。

そのため、ブランドを説明する軸として、

シュミットやコトラーやいろいろでてくるため、

一つの軸に従っていない構成となる。著者は、

そのような外資系広告代理店の経験でリサーチが大変役に立つといった

リサーチ経験から解説してもよかったかもしれない。

本の編集者が、そのような構成では華やかさがたりないとか、

第二章でリサーチは十分に語ったと認識していたかもしれない。

 

四時限目の新しい時代のCRMとデジタル・マーケティングのところも

軸が感じられない。端的にいうと、著者の専門でないからだ。

時代の変化にともなって、デジタルとビッグデータ処理ができる時代になった

ことから生まれた事象であり、説明しておくべきことであるのだが、著者の経歴上、

デジタルに精通しているわけでもなく、ビッグデータ処理が

必要とされるわけではない。日本の外資系広告代理店は、

デジタルキャンペーンは行うが、デジタルは国境をまたぐので、

外資FMCGコカ・コーラZARAとか。)は、

デジタル媒体(facebooktwitterとか)とアメリカ本社で契約してしまうから、

外資系広告会社の日本支社では、グローバルから降りてきたキャンペーンが主流だ。

そのため、外資系広告会社のマーケッターは、

デジタルに詳しくなる環境要因はない。

(自ら考える人はいるし、広告賞をとるようなキャンペーンに結びつけることは、

あるが、媒体をアメリカ本社で押さえられている影響は大きい。)

 

おすすめする読者

マーケティング実務者、現場でいろいろなことに対応しなければいけない人

 

読むべき場所

マーケティングリサーチの部分

大変丁寧に書かれている。

調査企画をたてることの大切さや、そのための企画に関する課題の視点は大切にすべきである。

以下、少々本内容を述べる。

調査のステップがすばらしい。

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現場では、このような指針が必要だ。

 

 調査企画書に必要な項目がのっている。

 

 

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 調査には、マーケティング課題と仮説が必要と述べている。

 

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 ケーススタディでカップめんを取り上げている。これは、調査企画。f:id:kanjuseitosyakaitojounetsu:20171103133959j:plain

 

 ケーススタディでカップめんを取り上げている。これは、調査の内容。

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ぜひ参考にしていただきたい本である。

 

 

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その4。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

業界人間ベムからの問いかけをまず整理しよう。

 

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。→LBO、O.I(オープンイノベーションによるデータマーケティング

②公のリリースを読むこと→途中

③自分の仮説を検証してもらうこと→仮説構築はまだ。ベインキャピタルADKの将来をいかようにも転がせる立場であることを確認した。

④負債額がどれほどか検証する必要がある→最大1200億円。シナリオをまとめる必要がある。

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。→シナリオしだい、要確認。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。→ない、O.Iで解決できそうと考えているのではないか。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。→未

 

現在の課題は公式リリースを丁寧に読んでいく段階だ。

 

公式リリース11ページ目から。

公式リリース8ページ目までの前回の記事まではこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

11ページからは、主に本公開買い付け(ベインキャピタルの子会社によるTOBLBO)についてADKが賛成した理由が書いてある。

ベインキャピタルの提案日

ベインキャピタルは、平成29年2月15日にADKに対して、こんかいの取引についての提案書を提出したとのことだ。

その提案をうけて、買付けについてのチェックを依頼した。買付け価格という財務のチェックと、実行という法律のチェックだ。

財務のチェックは、財務アドバイザーとして、①三菱UFJモルガンスタンレーを選んだ。

法務アドバイザーとして、②森・濱田松本法律事務所を選んだ。

同時に、社外取締役のみで構成された③社外取締役協議会を設置した。

ベインキャピタルのDD開始日

ベインキャピタルは、平成29年3月2日より、買収監査(デュー・ディリジェンス)を実施した。

ベインキャピタルの公開買付け価格連絡日 

ベインキャピタルは、平成29年8月10」日に一株あたり、3,371円~3,517円という価格を提案した。

 ここで、ADKは、①財務アドバイザーである、三菱UFJモルガンスタンレーに株式公開買付け価格が正しいかどうか聞いた。

また、③社外取締役協議会が、第三者として、④山田ビジネスコンサルティング会社(山田BC)にADKの株式価値算定を依頼した。

交渉はいつまで続いたのか

そして、公開株式買付けの価格引き上げをベインキャピタルに依頼したということだ。

平成29年9月29日まで交渉は続いた。

そして、平成29年10月2日に公開買付けに賛同するとADKは、表明した。

 

12ページ

12ページには、交渉の結果確定したTOBの株式価格算定が妥当である理由が三つ書いてある。1、①の三菱モルガンスタンレーからの算定結果の価格を上回っている、2、同等の事例と比べて、同程度のプレミアムがついている、3、社外取締役会がOKした、4、買付け手続きに法的な問題はないことを確認した、

からとしている。

OKをだした社外取締役

社外取締役を確認しよう

木戸英晶

 慶応大学卒業 伊藤忠出身の人

衛星放送・衛星通信事業の経験者。

木下 俊男

公認会計士 pwc出身

 首藤恵

早稲田大学大学院経営学教授

専門はコーポレートファイナンス

adkは、10月16日に追加リリースを発表し、

彼らの活動によりTOBの株価が向上したと述べている。

彼らの業務も検討内容に入るだろう。

13ページからは、ベインキャピタルの子会社による財務の戦略が説明される。

いわゆるLBOのあとの実務だ。

 

 

 

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その3。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

前回の記事では、公式リリースを読み続けていて、8ページまでいったところだ。全体では、26ページだからもう少しありそうだ。

前回の記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

公式リリースを読みながら、課題7個に答えようということがこの記事の主旨だ。

課題を確認しよう。

 

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。→LBO、O.I(オープンイノベーションによるデータマーケティング

②公のリリースを読むこと→途中

③自分の仮説を検証してもらうこと→仮説構築はまだ。ベインキャピタルADKの将来をいかようにも転がせる立場であることを確認した。

④負債額がどれほどか検証する必要がある→1200億円

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。→シナリオしだい、要確認。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。→ない、O.Iで解決できそうと考えているのではないか。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。→未

公式リリース8ページ目から

黒字は、リリース内容、赤字は、解釈を書こう。

 

8ページ後半には、wppとの提携がうまくいかなかったことが書いてある。

今までのadkは、安定的な利益を求める株主にたいして、安定的な利益を出すため投資しなかったと書いてある。投資すればいいだろ。投資したときに、株主から批判を受け、経営陣がくびになることを恐れていただけだろうともいえる。

株価が下がろうが、adkはつぶれないので、既存株主に遠慮する理由はない。株主は、株を放出することができるので、何の問題もない。経営陣の保身を第一に考えて、策を練ってきたので今回のLBOベインキャピタルによる買収につながったともいえるだろう。

9ページ目には、ベインキャピタルを選んだ理由が書いてある。ベインキャピタルが450社の投資実績があること、投資先企業の事業改善に強みあること、グローバルのリレーションをもっていること、国内でも投資していること、だそうだ。

ベインキャピタル東芝案件という超巨大案件を同時に行っていることが書いていない。

9ページ目の後半には、構造改革を急いで行わなければならない、と書いてある。そして、そのためには、株価が一時的に落ちることが書いてある。そのため、非公開化が必要と述べている。

構造改革を急ぐ必要があるなら、2年もwppと交渉していたのが、時間の無駄といえる。その時点で、取締役は会社を去ればよいとも言える。すばやい対応が必要という課題認識なら、その課題に向き合うことができなかったのだからだ。さらに、株価が一時的に落ちても、長期的に保持したい株主なら、何の問題もなく、株を持ち続けるだろう。3年で構造改革が終わるなら、何の問題もない。株価は、将来もたらされるキャッシュによって決まる。3年なら、余裕で安定株主は待つ。株主のせいにしないで、経営陣が、課題に取り組むだけでいいのである。その覚悟がないなら、経営陣や役員は辞退する、これが資本主義である。

 9ページから10ページにかけて、ベインキャピタルadkwppとの間で2016年2月から交渉をしたことが書いてある。経営陣はもたもたしすぎだ。彼らは、迅速な対応とアピールしながら、実際の行動は遅い、なぜ遅いか、それは自分たちの保身を第一に考えながら行動しているからである。保身を悪いこととはいっていない、ただ、保身がしたいなら、経営陣にはなってはいけない。ただそれだけだ。そして、保身が大切なら、スピードが大切とはいってはいけない。自分たちができないことを人にいってはならない。

日本人にありがちなことだが、経営陣(資本家)と労働者の認識を間違っていることがある。労働者の役職の先に、経営者は存在しない。まったく別物である。日本社会は、ムラであり、誤解してしまう。

10ページには、ベインキャピタルと合意した経営改革の内容が書いてある。

1、統合的マーケティングサービスを実現し、既存事業の付加価値を向上すること。テクノロジーに強みのある企業との連携をします。その他の、広告業務は今までどおりです。

2、デジタル&データ領域や中国、タイ、インドネシア地域で事業するよ、コンテンツ投資をするよ。

3、1と2を早期にするために、ベインキャピタルの事業改善ノウハウを最大限活用、そのネットワークも使うよ。

1、2、3で収益は一時的に悪化するよ。

この内容にベインキャピタルが賛成したからベインとやるよ。

ベインキャピタルはリスクゼロだから、賛成するだろ。失敗したら、adkの資産を売るだけでいいのだから。買収費用の1200億円の借金はadkが背負うことが決まっているから、ベインキャピタルは何もしなくていい。それなら、いくらでも方向性に賛成するだろ。ベインキャピタルの変わりにだれだってできるよ。むしろ、ベインキャピタルのように、400億円とか、金を持っていかないだけ、ベインキャピタルより最適ですよ、大切なのはwppと分かれるだけ。なぜ、このことを行わないのか、それは経営陣の身分を第一に考えたからと考えられる。

 

 

ADK役員はベインキャピタル身分保障されているか。

 当然上記の疑問が、WPP側からあがる。当然だ。WPPは、買収と経営のプロだ。ベインキャピタルよりもスキルがあるのだ。

アサツーディ・ケイ、筆頭株主に反論 :日本経済新聞

 

また、WPPが指摘していたADKの経営陣がベインから身分が保障されているかどうかについては、「(処遇や報酬などについてベインと)なんら合意をしていない」と強調した。

という風にwppは、疑問を呈している。

 

11ページからは、公開買付けでの株価の決定について詳細を述べている。

株式価格についてなので、次の記事に書くことにする。

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その2。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

前回の記事

前回の記事で、業界人間ベムからの問いかけに回答していく流れだった。

そして、その中で、問いかけは7個あった。そして、ADKのリリースが長くて、さらに、LBOという専門的なファイナンス手法が登場したため、こちらの記事に続きを書いていくことにした。

前回の記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

宿題を確認しておこう。

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

②公のリリースを読むこと

③自分の仮説を検証してもらうこと

④負債額がどれほどか検証する必要がある

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。

 

 

 

ADKのリリースの6ページ、LBOについて

さて、LBOにうつろう。LBOとは、レバレッジド・バイアウトの略だ。一言で言うと、借金して、買収しますということだ。そして、借金し、その借金をなぜか、買収される側が負担するという、恐ろしい話だ。これは、まったくの合法である。

今回の買収に関して、ベインキャピタルは、ペーパーカンパニーを作成する。その子会社に1500億円準備させて、ADKを買収するのだ。しかし、ペーパーカンパニーには、ベインキャピタルは、300億円程度しか出資しない。その残りの1200億円はどうするのか。それは、三菱東京UFJ銀行みずほ銀行から借りるのだ。

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なぜ、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は1200億円を貸すのか。

ベインキャピタルが作成した子会社をADKと合併させるからである。

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 これが、ベイン側から見た、買収のスキームである。宿題の①にこたえてみた。さらに、ADK側から見たゴールはなんなのか。宿題④の背負う負債額は、1200億円である。この1200億円の借金をADK社員2000人弱で返済する必要がある。一人当たり5000万以上の借金を返す必要があるのだ。

 

②の宿題である、公のリリースを読み続けよう。

 

ADKの公のリリース6ページからは、今回の公開買付けの背景が書いてある。

といっても、ADKの60年の歴史が書いてあるだけだ。7ページ目には、最近は業績が好調で利益が過去二番目に高かったことが書いてある。その金額は、50億円で、本来の目標は70億円だから届かないんだ、そのための改革が急務であると書いてある。

データを生かした、マーケティング活動を支援する、広告販促ビジネスへシフトすることを目標としていると書いてある。そのためには、有力な事業パートナーとの連携を通じたオープンイノベーションが必要であるという論理だ。オープンイノベーションと同時に、M&A投資や業務提携、人材・システムの投資をしたい、そのために、wppの決裁が投資判断に必要な現状から脱したい、これが主張である。

 

オープンイノベーションってなんだっけ?

 オープンイノベーションとは、※自社に限らず、他社や大学、地方自治体、社会起業家などがもつ技術やアイデア、サービスなどを組み合わせて、革新的なビジネスモデルや研究成果、製品開発、サービス開発につなげる方法。

以下のサイボウズのサイトがわかりやすかった。

「もう、個人の働き方に会社が合わせるしかない」「働き方をルールで管理するのは無理」──金丸恭文×青野慶久 | サイボウズ式

 いきなり、リリースでオープンイノベーションといわれてもよくわからないことが当たり前だ。広告ビジネスの中心はテレビとウェブ広告だ。テレビは、テレビ局が持つ枠を売るビジネスで、大変クローズドだ。そして、ウェブ広告も利益を上げているのは、グーグルとフェイスブックばかりで実はクローズドだ。そのなかで、いきなり、ADKがオープンイノベーションいいだしてもうまくいくかわからない。ADKの役員がO.I(オープンイノベーション)を理解しているのだろうか。彼らは、旧来の広告で成功してきた人間であって、その成功経験を捨てられるとは思わない。

7ページには、とにかく、リテイル事業で強い三菱商事と提携しているよ、と書いてある。

三菱商事はポンタというポイントカードを持っていて、そのデータを有効活用したくてADKと組んだ。

 三菱商事のデータビジネスについての記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

 

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さて、8ページへと続こう。

8ページでは、顧客ポートフォリオをいじると書いてある。利益の出ない顧客とはおさらばすると言う意味だ。

8ページの途中に、オープン・ネットワーク型に変更すると書いてある。オープンネットワーク型と投資ファンドによる非上場化の論理がわからないが、言い切っている。

オープンネットワークしたい→wppとさよなら。これは、ok。で、ベインキャピタルに買収されたら、一社に独占されているから、うまくいく保障はない。wppと一緒で、投資を決めるのはベインだ、adkではない。

ベインキャピタル

ベインキャピタルでの非上場化は、意思決定プロセスを早めるためだと書いてある。その中身が書いてない。どの程度早くなるのか、その効果を示すべきだろう。さらに、ベインキャピタルのノウハウの支援を受けたいと書いてある。いや、先ほどLBOで説明したとおり、ベインキャピタルは一切リスクを負わないだろ。さらに、前回の記事で述べたように、ベインキャピタルは30人しかいなくて、どうじに、20倍以上巨大な東芝案件をおこなっている。つまり、ベインキャピタルは一人か二人しか、ADKにこないだろう、なぜなら、20倍以上巨大な東芝案件を扱っているからだ。さらに、その状態で、ベインキャピタルはなんのリスクも負わないLBOである。つまり、さっぱりやる気がないのである。

ベインキャピタルの役割ーリストラという嫌われ役ー

なにが、一番ベインキャピタルにとって、効率がいいのであろうか。それは、社員の解雇である。オープンイノベーション型では、必要ない旧来型の社員は全員やめてほしいのが、adk役員の意見だ。自分でリストラすると嫌われるから、外資系ファンドに頼んでいるのだ。このような論理をおうと、adk現経営陣は、ベインキャピタルに買収後の身分保障という契約(密約)を結んでいると考えられてもしょうがない。

 

ADK役員はベインキャピタル身分保障されているか。

 当然上記の疑問が、WPP側からあがる。当然だ。WPPは、買収と経営のプロだ。ベインキャピタルよりもスキルがあるのだ。

アサツーディ・ケイ、筆頭株主に反論 :日本経済新聞

 

また、WPPが指摘していたADKの経営陣がベインから身分が保障されているかどうかについては、「(処遇や報酬などについてベインと)なんら合意をしていない」と強調した。

という風にwppは、疑問を呈している。

 

ベインキャピタルの人って仕事できるんじゃないの?と思っている人へ

それでも外資系ファンドや外資コンサルティング会社に夢見てしまう人へ、ちょっとした情報提供をしよう。ベインキャピタルで働いている人が優秀なら、起業してる。今は、ちょっと優秀なら起業してる時代なのだ。ベインキャピタルで働く人は起業するほどの力がないから、ファンドで働いてる。彼らのウリは、日本人に仕事できそうと思わせることなのだ。

起業してる人たちの記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

この状態からわかることの示唆

結局、従業員(正社員と一般的に呼ばれる)を首にすることが大変なことが原因。日本は、首切りができないと裁判所がきめたから、できない。そのせいで、外資ファンドが大もうけする。ベインキャピタルは、何のリスクも負わず、0円の投資で、2000億円ぐらい儲けるんじゃないかな。ひどい話だよ、まったく。

 

公のリリースはまだ、8ページ目だ。次の記事で読もう。

 

業界人間ベムからの問いかけに図解で回答してみよう。その1。ベインキャピタルによるADKのTOBの今後の行方について検証しよう。

この記事は前回の記事の続きです。

前回の記事はこちら。

 

kanjuseitosyakaitojounetsu.hatenablog.com

 

記事の内容を要約すると、以下のようになる。

業界人間ベムというADK出身の人が様々な宿題を出している。その宿題に応えてみようということである。

宿題の確認

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

②公のリリースを読むこと

③自分の仮説を検証してもらうこと

④負債額がどれほどか検証する必要がある

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。

ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。

⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。

今回は、まず、①から取り組もう。②の公のリリースの中に、ベイン社のスキームが書いてあった。 ①のリリースとは、以下のものである。(詳細のpdfは、本記事の最後にのせる)

 

www.adk.jp

 

結論 ベインキャピタルのスキームは今回は、片手までできる程度のこと

 
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。
①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

①のリリースを丁寧に読んでいこう。

①のリリース、1ページにはまずベインキャピタルペーパーカンパニー設立が書いてある。図解するとこうだ。

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2ページ目にはなにが書いてあるだろうか。買い付け価格として一株につき3,660円と書いてある。また、公開買い付けは推奨している、そして、公開買い付け者に関する情報は、公開買付者から受けた説明にもとづいている、と回答している。

2ページ目最後や3ページからは、何も調べていないベインキャピタルからの説明が書いてある。3ページ目4行目、「~、本公開買付けを実施するとのことです。」

3ページ8行目、「ベインキャピタルは、~、そしてグローバルでは、昭和59年の設立以来450社超に対しての投資実績を有しているとのことです。

3ページ17行目「本公開買付けにおいて、~、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。」

ことです、だらけですね。

詳しく読み解くと、3ページ3行目の段落では、ベインキャピタルの目的が非公開化にあるとかいてある。

3ページ8行目の段落では、ベインキャピタルは30人です。と書いてある。そして、現場レベルで支援していると書いてある。

 2017年10月現在いえること

ベインキャピタルは、ADKの買収と同時に、東芝メモリという東芝の会社も買収する。

ベインの社員数はたったの30人だ。そのメンバーが同時に巨大案件を行えるのだろうか。もっとも、東芝メモリは、ADKの20倍の大きさだ。(利益比較)つまり、20倍も大切な案件を抱えながら、ADKの経営改善に取り組む人員が存在しているのだろうか。(東芝メモリも2020年の上場を目指しているとのこと)

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東芝メモリは2020年にもIPO、ベインキャピタルが計画-関係者 - Bloomberg

米投資会社ベインキャピタル東芝メモリについて、買収完了後2-3年で新規株式公開(IPO)させる計画だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした

東芝、半導体メモリー分社「東芝メモリ」に 4月1日発足 :日本経済新聞

分社で発足する会社の名称は「東芝メモリ」。代表取締役には、東芝半導体事業を担当する副社長の成毛康雄氏が就任する。資本金は100億円。 分社する半導体モリー部門の売上高(連結ベース)は2016年3月期で8456億円、営業利益は1100億円だった。

 

 

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 この3ページ目まで読んだ状態で今回の投資案件が同時並行できるのかどうか、要検討という気がしてきた。

続いて、3ページには、20年前に結んだWPPとの提携契約の内容が書いてある。

CAA=提携協力契約、SPA=株式売買契約だ。

SPAには、以下のことが書いてあるとのことだ。ADKは、WPP側に、ADK株の売却を求めることができる。通知してから180日後にADKか、第3者が買い取るということだ。価格は応相談。wpp側が断った場合、さらに約185日後に東京証券取引所の平均価格で、ADKに強制的に売らないといけないという契約だ。

これが、ADKWPPとの間で交わした契約の内容だ。

一年後にはTOB成立するかに関係なく、ADKは、WPPグループとの株式持合いによる提携は解消されるということだ。

4ページには、ベインキャピタルがつくったペーパーカンパニーADK株式を90%以上握った場合、即非上場化すると書いてある。

5ページには、今回のTOBで50%いかない場合とかは、ベインキャピタルは責任をもたないで、他に転売します、その価格は決まってませんと書いてある。つまり、ベインは一切責任を持たないことが公のリリースでADK側から示されているのである。

6ページには、LBOの手法が書いてある。ベインキャピタルは今回の買収に1500億円とか、1600億円とか金がかかるが、そのような金は手元にはない。そのため、300億円は自腹で準備して、のこりは、三菱東京UFJ銀行みずほ銀行から借りるということだ。

長くなったし、次はLBOという専門的な話が出てきたので、別の記事に書こう。

 

 

 ADKのリリースのpdf

https://www.adk.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/431288c69c7ab0ef4535c81bb3ee3a6c.pdf

 

 

 

 

 

 

ベインキャピタルによるADKのTOBに関して、広告マーケティングを愛する人からの視点(業界人間ベムからの問いかけを整理してみよう)

業界人間ベムという有名サイトがある。

ADK出身の横山さんのブログだ。

このブログでベインキャピタルADKに対するTOBについて大変詳しく解説してある。それと同時に「広告マーケティングを愛するひとたちへ」自分の頭で考えてみようというメッセージが投げかけられている。

そのメッセージに返信してみようということがこの記事の主題だ。

この記事は、広告やマーケティング、広くプラン(企画)にかかわる人が知っていたらいいなということを伝えることを目標にしている。

そのため、この課題に取り組みたいと思う。

 

業界人間ベムのサイトの記事

当該記事を引用させてもらう。

「ベインキャピタルによるADKのTOB」その先を読む。 広告マーケティングを愛する人たちへ、ベムの視点 - 業界人間ベム

以下、いくつか彼の記事から引用させてもらう。課題を彼から与えられているので、確認せねばならない。個人的な感想をまず言わせてもらえば、

広告マーケティング愛する人へと大きな、気持ちのはいったタイトルだな、と一目見て思った。

以下、引用

このブログ・エントリーは、ADK社員を含む全ての読者に向けて、特に自分の未来を10年20年作っていく若手に向けてのベムからの気持ちだ。すでに私の所には個別に解説打診の連絡が沢山届いているが、ベイン社のスキームやADKの次のゴールがどこにあるのかは、この機会に自分で調べ、考えた方が良い。

①ベイン社のスキーム、ADKの次のゴールを調べること。

ベイン社のスキーム、つまり、ペーパーカンパニーの仕組みを調べないといけないということだろう。そして、今回のスキームに当てはめて考えないといけない。

ADKのゴールは、建前のもの(実現可能性を考えなくてはならない)と本音を調べ、その上で、予想しないといけない。当事者の述べるゴールは、願望が入ったものだからだ。

公にリリースとして発表されている。これらの文章に関しては一度全部読んでおくのが筋だろう。

 ②公のリリースを読むこと

公のリリースは主なもので、25ページある。

これはこれで、たいそうなボリュームになりそうだ。

また、25000字(25枚かける1000字)だと論理の矛盾もありそうだ。

分で調べたのなら、社内の人同士で審議するのではなく、外部の人に自分の仮説を聞いてもらい検証してみると良い。

③自分の仮説を検証してもらうこと

これは、だれかにおねがいしないといけないな。

ADK企業価値が1500億円の会社だったとして(TOB価格がいやらしい程に低かった。徐々に上げる気配)、ベインが3割程の出資だと仮定して(東芝メモリの2兆円の場合は1割程度しか自腹出費していない)、残りのざっくり数百億円~1000億円くらいの有利子負債を積み上げて株を買い戻す。ADKWPP株を放出し、他の持ち合い株を放出売って、かなり現金にはなるけれど、それでも自らの株式を買うために支払った「のれん」=「プレミアム」を乗せて買い戻しを行うので、負債額はかなり重い金額に膨らむはずだ。

④負債額がどれほどか検証する必要がある

負債額の計算が必要となる。

ポイントはこの有利子負債を負担する(返済する)のが、現在・未来のADK社員の仕事(未来のキャッシュフローの行方)である事だ。ADKは「買収されるため」に作られた負債を、自らがせっせと返済する。一方のベインはおそらく数百億円の自腹は再上場で取り戻し、さらにADKの多くの株式を握る(さらに売って儲けられる)し、配当がある、という構造だと考える。

ADKの社員がベインキャピタルがつくった借金を支払う必要があるのか確認する。

これは、おおきな問題だ。LBOの仕組みを詳しく調べなくてはならない。

テクノロジーに強みをもつ企業との連携によるデジタル・マーケティング、統合的マーケティング・サービスを実現(略)

1つ目の柱はWPPからの束縛から解放されて、経営の自由度を高めて、今後デジタルやテックに投資していくつもり。しかし今回のディールを決めたADK取締役を見れば、その中にデジタルのデの字も、テックのテの字も一言も見当たらない経歴の人ばかりで、さらに執行役員のグループも同様だ。

このブログを読む君たちの未来を創るリーダーがこのようなチームで良いのかどうかは考えればすぐにわかること。ベインでさえもその事は気づいているだろう。おそらく案件ベースで外部の取締役が入ってくるのは間違いない。

 ⑥ADKの取締役や執行役員が、デジタルやテックの知識をもっているか、その投資をおこなうことができる人材か検証する。

これは役員の経歴を調べなくてはならないということだろう。

デジタル&データ領域や、中国・タイ・インドネシアなどのアジアを中心とした地域における事業業の再構築。コンテンツビジネスにおいて、事業拡大(略)

(日本でも市場専有はほんの5%程の存在だが)欧米では歯がたたないので、アジアへ、という図式だ。

 ⑦中国、タイ、インドネシアなどのアジアを中心とした事業の再構築が可能かどうか検証する。ADKは、記憶ベースでは、インドネシアの広告事業に失敗し撤退しと覚えているが、どうなのだろうか。

別の記事でまとめて書こう。 

 

 

WPPは知っている、『ベインキャピタルはADKからwpp株式の含み益400億円を得ることができるため、TOBを表明した。』

ベインキャピタルが買収(TOB)をADKに対して行っている。

 

今回は、この背景を説明したい、二点に分かれる。

なぜ、ベインはADKを買収するのか。そして、ADK側はなぜ、賛成するのか。

まず、事実の確認だ。

 

 

japan.cnet.com

ビーシーピーイー マディソン ケイマン エルピー(BCPE Madison Cayman, L.P.)は10月2日、アサツー ディ・ケイADK)の発行済み普通株式および新株予約権TOB(株式公開買い付け)により取得すると発表した。ADK側は、TOBに賛同を表明している。 同社(公開買付者)は、Bain Capital Private Equity, L.P.および米ベインキャピタルによって保有・運営されているリミテッド・パートナーシップ。

 

対象者普通株式および新株予約権の全てを取得し、非公開化を目的にTOBを実施する。TOBが成立次第、上場廃止となる予定だ。買い付け期間は、10月3日から11月15日まで。買い付け価格は普通株式1株につき3660円で、4162万3579株の取得を予定している。

 

WPPグループが保有しているADK

 

2018年10月5日現在、株式会社アサツーDKADK)の筆頭株主WPPグループだ。25%を保有している。WPPグループというのは、世界の広告代理店グループで1位か2位という大規模なグループだ。(日本首位の電通は5位)

そして2位の株主は、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズというイギリスの資産運用会社だ。彼らは運用のプロだ。

彼らが安すぎると主張している。。

www.nikkei.com

アサツーディ・ケイ(ADK)の第2位株主の英運用会社、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズは4日、米投資ファンドベインキャピタルによるADK買収に反対すると発表した。ベインが提示したTOB(株式公開買い付け)価格が著しく安いとしている。

筆頭株主と2位の株主が反対している。その理由は価格が安すぎるからだ。

 

 

 

価格が安い最大の理由

 

価格が安いといえる明確かつ最大の理由は、ADK保有するWPPグループの株式だ。

以下のサイトに詳細は書いてあるが、公表されている財務諸表を確認するとよく分かる。

  

www.stockclip.net

すると、建物や土地をそれほど抱えていませんが、投資有価証券を953.13億円ほど抱えています。

 詳細を書いていないが、有価証券の評価による含み益が(WPP分、そのた有価証券評価分)450億円ある。これがベインが狙っているものだ。これの評価である。

上記サイト(note)では、このTOBの背景まで踏み込んでいないため、次節からはその点を解説しよう。

 

 TOBの背景 ベインキャピタルの思惑

 

ベインキャピタルの買収提案理由はなんだろうか。もちろん、先ほど述べたようなADKの持つWPPの株式の含み益450億円が狙いだ。それが最大の狙いであるが、それでは、建前がないのだ。建前が大切である。ベインキャピタルの建前は何か。それは企業の改革をおこない、事業を成長フェーズにのせるということだ。

これは、具体的にはどういうことだろうか。

ADKが標榜するコンシュマー・アクティべーションという概念を実施するためにベインキャピタルが貢献できるという考えである。

コンシュマー・アクティべーションとは、消費者行動促進と日本語で訳せるだろう。

これはどういうことかというと、広告によって、面白い企画を行うのではなく、広告の結果、消費者が購買行動を起こしたりするという、行動を促進するところまでを目標とした企画を行うということだ。ADKは、広告代理店というビジネスモデルからマーケティングソリューションを提供するという会社になるということだ。

ベインキャピタルはここに、建前を求めている。ベインキャピタルには、様々な企業(音響メーカーや広告調査会社マクロミル、大江戸温泉というレジャー施設)の企業経営の経験がある。そのため、マーケティングに関する知識、経験がありますよということだ、これが建前だ。

 

TOBを受ける側 ADK経営陣の思惑

ADKに利益はあるのか。これが主な点だ。ADK側の発表によると、20年にわたってWPPグループと提携してきたがシナジー効果がないということが建前の理由だ。本音レベルでは、経営上大きな障害があるということだ。WPPは、ADKの株式の25%を保有している。そのため、経営の重要な決定においてはWPPの意見が尊重される。WPPグループは日本で広告会社として業務を行っているため、それらの会社は競合であり、それらの外資系広告会社にダメージを与えることはできない。外資系広告会社の主なクライアントは、外資系メーカー(ナイキとかをイメージしてもらいたい)である。WPPグループ本体としては、このクライアントを外資系広告会社に担当してもらいたい。そちらのほうが利益が出るからだ。つまり、ADKは、外資系クライアントを積極的に攻めることができないのだ。これが大きな足かせとなる。

また、ADKは、長期的な投資や、提携といった重要な経営戦略について25%しかない株主であるWPPグループに対して、お伺いを立てなければならない現状であった。

このため、システム投資や子会社の買収において、スピードが足りないのである。電通博報堂は、テレビやウェブに関するシステム開発を次々に行い、ベンチャー企業を次々に買収する。ADKは、この流れに完全に遅れてしまった。

ここまでが建前だ。

ADKの本音

ADKは以上の建前の課題を解決したかった。しかし、ここまでの建前でわかるように、「ベインキャピタルを選ぶ理由」が存在しない。他の一般企業、特に三菱商事(事業で提携している)に買収してもらうことがベストだ。しかし、ADKの経営陣はベインキャピタルを選んだ。その理由は、二つあると考えられる。一つは、ベインキャピタルのリストラ能力の高さである。もう一つは、完全な推測であるが、経営陣に対して、退陣を求めないという約束手形を取り付けた気がしてならない。ベインキャピタルは、上場企業でないため、情報を公開する必要がないからだ。繰り返すが、これはまったくの推測だ。

ベインのリストラ能力の高さ

 ベインのリストラ能力の高さを記事から引用しよう。

gendai.ismedia.jp

 

さらに、ベインキャピタルから派遣された経営陣や、新たに採用されて派遣されてきた管理職の面々にも、クライアント企業からアウトソースされるコールセンター業務が中心のベルシステム24グループの業務に精通し、収益を短期間に劇的に改善するノウハウを持つ専門家は一人もいないという。

 

 ベインキャピタルに専門家はいないが、巨額の買収を行うのだ。これは、リストラを行うから成立する話だ。日本の40-60歳のサラリーマンはスキルがないため、給料をもらいすぎであり、また、そもそも多くの人間を企業は抱えすぎている。そのため、くびにするだけで、短期的には業績は回復する。そして、次の好景気がきたときに、人手がたりないために、大きな業績を上げることができないのだ。この日本の構造について熟知しているベインキャピタルは、短期的な業績をあげる。まさに、日本の社会構造を熟知したハゲタカである。企業を経営する力なら、グロービスキャピタルのほうがある。もちろん、グロービスが得意なフェーズではない。さらに、日本では、ターンアラウンド(事業再生)が得意なファームはいくつもある。それらとADKが組まないことが、筆者に当然疑問であるし、多くの日本人にも当然だろう。それは、株式市場に上場している会社を預かる経営陣として当然果たす、説明責任だろう。

 

結論 

以上により、ベインキャピタルは、非常に楽をして、大金を得ることになる。なんといっても、1500億円準備するだけで、400億円もらえるのだ。彼らは、1500億円銀行にあるから、ただで、400億円もらえるのだ。(他にあわせると900億円の金融資産がもらえる。)こんな甘い仕事はない。なぜなら、ベインキャピタルには、広告会社を経営するスキルはない。なぜなら、ベルシステムという経営したことのない、専門的な会社を買収するようなファンドだからだ。それに対して応じてしまうADKの経営陣は、厳しく、質問攻めにされなくてはならない。それが、上場企業の経営陣の務めである。ベインはぼろもうけをしている。せめてもっとリスクをとれというのが、多くの人の考えであり、正義論に基づく議論だろう。

 

現状

10/5現在の状況をまとめる。TOBがどうなるかはわからない。しかし、結論の説で見たように、この価格は安すぎる。筆頭株主WPPグループはTOBに反対し、第二位のイギリスの投資運用会社も反対している。

 

アサツーTOBに応じず 筆頭株主の広告会社 英紙報道 - 産経ニュース

投資ファンドベインキャピタルが3日に始めた日本の広告大手アサツーディ・ケイに対する株式公開買い付け(TOB)に、アサツー筆頭株主である英広告会社WPPグループがTOBに応じるつもりはないことが分かった。3日付の英紙フィナンシャル・タイムズが関係者の話として報じた。

 WPPは、ベインの提案した買収価格がアサツーの株価を「ひどく過小評価している」と判断しているという。WPPが価格引き上げを求める可能性もある。

 業界からすれば、とてつもなく安い価格だ。

ADK株のTOB、第2位株主の英運用会社も応じず 「価格安すぎる」 :日本経済新聞

アサツーディ・ケイ(ADK)の第2位株主の英運用会社、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズは4日、米投資ファンドベインキャピタルによるADK買収に反対すると発表した。ベインが提示したTOB(株式公開買い付け)価格が著しく安いとしている。筆頭株主の英広告大手WPPもTOBに反発しており、成立に不透明感が出てきた。

 以上、広告業界や、マーケティング、企画に関する人が抑えておくべき記事でした。