農地にたった真新しいアパート群と太陽光発電に共通する日本の課題
(NHKクローズアップ現代が取り上げた地方都市でのアパート30年サブリース問題。)
NHKクローズアップ現代が30年サブリース
アパート問題に切り込んだ。
多くの人の感想がこちら。
自分の感想はこちら。
日本でこそおきる現象だと言うこと。
その原因は、3つであり、法律知識の欠如、
経済知識の欠如、金に弱いと言う特性である。
それらのどれかが十分なレベルにあれば
多くの人の感想のように他人事に思える。
①法律知識の欠如
日本人は、2割司法と言う言葉で代表されるように、法による支配や法治主義という概念に馴染みがない。つまり、大部分の一般人は、法律をしらなくても生きていける。これは、労働者が労働法で守られているから考えなくていいというだけだ。今回の、アパート経営は、アパート投資にあたる。つまり経営者となる。経営者は労働者(農業従事者は、補助金農作業者と言っていいだろう。)と違い法律で守られない。労働基準監督官は存在しない。農業従事者を守る農水省は存在しない。しかし、一般労働者であった彼らは、法律を認識していない。「なんとかなるだろう」という意識で投資をはじめる。
NHK引用すると、ここに、多くの人がおちいりそうな注意点が見える。
家賃の減額がありうることを
十分説明していなかったために、
トラブルが発生している?これは、規制する法律が簡単に言うとないんですよね。
不動産などを売り買いすることについては、宅建業法というのがあって、ここは厳しくなってます。
もう1つ、賃貸管理ですね、サブリースを含む賃貸管理については、登録義務というのはあるんですけれども、これはあくまでも任意規定でしかなくて、かつ罰則もないんですよね。
(業者に対する?)
そうなんです。
もう1つ問題なのは、その大家さんというのはアパート経営をしている「事業者」という扱いになりますので、消費者庁が管轄する意味での「消費者」という認定でもないということで、その周囲を取り巻く法律のあたかもエアポケットにはまったような、そういう状況の中で、今こういうことが起きているということですね。
②経済知識の欠如
日本の人口減少という経済知識にたいして意識がない。
この部分は長くなるため、短く言うとまともな経済教育をうけていない。さらに、公共住宅が少ないと言う日本の特徴も触れておいたほうがいいが割愛する。
③金に弱いと言う特性
日本人は、さるやまで生きてきた。むらしゃかいとも言えるだろう。この社会では、ヒエラルキーが大切であり、他人に共感し苦しみを分かち合うような感受性の強い人は生きにくい社会である。その中で、何を人々は求めるのか。それは、金である。クローズアップ現代では、87歳の老人がアパート投資していた。彼はこの年で金を得て何をするだろうか。何のための金なのか。その問いは実はすこしずれている。金こそが彼の快楽である。金は、彼らのすべてではないが、大きな部分である、少なくともあやしい投資に1億円をつぎ込むほどには。
もう一つ論点がある。だまされた話はあまり広がらない。なぜなら、だまされたことは落ち度である。だまされる弱い人間は、さるやまのヒエラルキーが下がる。自分の弱みは他人には教えないのだ。こうして詐欺は、止まらない。
同様の構造は、太陽光発電でも当てはまる。基本的に詐欺が減らない理由の一部でもあるだろう。
参考資料
この論理のための前提知識
①法については、以下の本。この入門の本は良書。
10時間で一読できるし深く読み込みことができる。
②経済知識について。入門かつわかりやすさではこの本がいいだろう。
本格的な経済学の勉強は時間がかかる。
③について。ここは、名著を推薦しておく。
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